三嶋本日本書紀 上巻
『三嶋本日本書紀』と称される『日本書紀』の写本。『日本書紀』は全30巻からなりますが、三嶋本『日本書紀』は巻1(神代上)から巻3(神武紀)までを 書写し、これに『中臣祓』などの具書3巻を添えて奉納されたものです。願主であり施主である正本が奉納したものか。書写した者は、良海・快尊・重尊と助筆 の真尊の4名で、応永35年(正長元年、西暦1428年)に三嶋大社に参籠し、同年6月に『日本書紀』3巻分の、同9月には具書の書写を終えています。
良海は真言宗の僧侶で、河内国誉田八幡宮や日光輪王寺などに施入された『日本書紀』の書写も行っています。快尊は高野山学僧で、諸国で修行していたことが知られます。